カフェインが運動にもたらす本当の効果とは。科学的根拠をもとに解説

ウェルネス

「カフェイン」といえば、コーヒーだが、そのほかにもお茶やココア、レッドブルやモンスターなどのエナジードリンクにも含まれているお馴染みの成分だ。

カフェインは、記憶力や計算力の向上、眠気を抑制する効果など様々な良い影響をもたらしてくれるというが、スポーツにおいてはどのような影響をもたらしてくれるのだろうか。

カフェインがスポーツにもたらす影響

カフェインはドイツの化学者 ルンゲ氏によって発見されたアルカロイドと呼ばれる植物由来成分の一種。アルカロイドの名前の由来は、アルカリに似た化合物であることを表しており、眠気、頭痛、倦怠感を和らげる効果がある医薬品として使用されている。

カフェインは、一昔前までドーピング検査の対象となっていた過去がある。2004年以降、世界アンチ・ドーピング機構(WADA)の禁止薬物リストから除外されたが、その使用を監視する必要があるとして、モニタリングプログラムに含まれる薬物の一つとなっている。現在カフェインは、手軽な合法的ドーピングとして多くのアスリートから注目されている。

1:脂肪燃焼効果が期待できる。

カフェインの摂取による脂肪燃焼効果は、自律神経の一つ、交感神経が刺激されることによって起こる。交感神経は、私たちが起きて活動しているときに優位に働き、心身を活動的な状態にセットする。

カフェインを摂取することで、この交感神経が刺激され、アドレナリンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質が放出される。これにより、心拍数を増やしたり、脂肪組織での脂肪分解を促進するのだ(1)。カフェインを摂取するだけでいいのかというとそうではないが、少しでも体脂肪を減らしたいという人は、運動前にカフェインを摂取することでより効果を期待できる。

2:パフォーマンスを向上できる。

カフェインは、運動パフォーマンス向上をもたらすエルゴジェニックエイド(スポーツにおけるパフォーマンス向上が期待できる食品)としても知られている。これはカフェイン摂取により、エンドルフィンの増加、疲労感の軽減などによって引き起こされると考えられている。

カフェイン摂取による運動パフォーマンスの向上は、多くの研究で明らかになっている。特にランニングやサイクリングなどの持久力運動において効果的とされているが、筋力トレーニングにおいてもカフェインによるパフォーマンス向上を示す研究が複数あり、カフェインの摂取によってベンチプレスの回数と重量を大幅に増やしたという報告もある(2)。

3:筋肉痛を軽減してくれる。

有酸素運動や筋力トレーニングのパフォーマンスに対するカフェインの有効性については、上述のとおり様々な研究によって証明されているが、他の潜在的な効果を調べるべく、筋肉痛にもたらす効果を調べたユニークな研究もある。

例えば、日常的にカフェイン摂取の少ない20代男性を9名を対象に、上腕二頭筋を限界まで追い込む研究では、カフェインを摂取した人は、2、3日後の筋肉痛が弱まったという報告がされている(3)。ただし注意しておきたいのは、組織的な回復が早くなっているわけではないということだ。これは、カフェインの興奮作用によって、筋肉痛の感覚を鈍くさせたと考えられている。

カフェインの効果を最大限に発揮するために。

タイミング

カフェインの効果を最大限に発揮するためには、そのタイミングにも気を使う必要がある。実際に、成果を得た研究では、運動開始前45~60分でのタイミングが多い。最高のタイミングを狙って、パフォーマンスを高めよう!

また、カフェインは基本的に毎日摂取しても問題ないが、しばらく飲み続けるとその効果に耐性ができてしまう。マラソン大会や重量挙げの記録更新を狙うなら、1週間ほどカフェインの摂取を控えるようにするといいかもれない。本番前にカフェインを摂取することでその効果を最大限に活かすことができるはずだ。

効果的なカフェインの摂取量

カフェインの摂取によって運動の効果を得るには、体重1kgあたり3~6mgの摂取量が効果的とされている(4)。この摂取量は、およそコーヒー2杯分ほどだ。運動する前に、毎回コーヒーを数杯飲むことは、少し苦痛に思えるかもしれない。カフェインの多いドリンクやサプリメントによって摂取することでより効率的に運動パフォーマンスを高めることができるだろう。

商品名カフェイン
コーヒー60mg/100ml
インスタントコーヒー57mg/100ml
エナジードリンク36~150mg/製品1本当たり
緑茶30mg/100ml
せん茶20mg/100ml
ウーロン茶20mg/100ml

食品安全委員会より

注意しておくべきこと

一度に多量のカフェインを摂取しないこと

カフェインは私たちのスポーツをより有意義なものにしてくれることが分かったが、カフェインの多量摂取については十分注意しておく必要がある。カフェインを過剰に摂取した場合の作用には、吐き気、めまい、集中力の低下などがある。最悪のケースでは、カフェインの過剰摂取による死亡事故が国内でも起きている。欧州食品安全機関(EFSA)によると、1日400mg未満が望ましいカフェイン摂取量としており、これ以上の摂取を続けるとカフェイン依存に陥りやすくなるというので、摂取量には十分に注意してほしい。

カフェインの効果には個人差がある。

カフェインに対する感受性は個人差が大きいため、科学の研究においても、健康に及ぼすメリットやデメリットを正確に評価することは難しいようだ。スポーツパフォーマンスに対するカフェインの効果を示したほとんどの研究対象は男性で行われているが、女性を対象にした研究では、女性よりも男性の方が効果が高いという結果も出ている 。カラダの大きさ、体組成、ホルモン機能の違いなどによって、カフェインの効果には個人差があることを理解しておく必要がある。

手軽にカフェインを摂取できるサプリ

C4

世界で最も人気のあるプレワークアウトサプリとして、アメリカでも信頼性の高い「C4」。

マイプロテイン

一番手軽に摂取できるのがこのタブレット。運動前に一粒飲むだけで200mgのカフェインを摂取することができる。

参考文献

・T E Graham,J W Helge,D A Maclean,B Kiens, E A Richter Caffeine Ingestion Does Not Alter Carbonhydrate or Fat Metabolism in Human Skeletal Muscle During Exercise. J Physiol Dec 837-47(2000)

・Darren L Richardson,Neli D Clarke.Effect of Cofee and Caffeine Ingestion on Resistance Exercise Performance. J Strength Cond Res.Oct 2892-900(2016)

・Caitlin F Hurley,Disa L Hatfield,Deborah A Riebe.The Effect of Caffeine Ingestion on Delayled Onset Muscle Soreness.J Strength Cond Res.Nov 3101-9(2013)

・Matthew S Ganio,Jennifer F Klau,Douglass J Casa,Lawrence E Armstrong,Carl M Maresh Effect of Caffeine on Sport-Specific Endurance Performance:A Systematic Review. J strength Cond Res.Jan;23:315-24(2009)