適度な運動は免疫もアップできる!その理由とは

ウェルネス

日常的に筋トレやランニングなどでカラダを鍛えている人は、風邪を引きにくいと信じている人は多い。「風邪を引きにくい」というのは、カラダを感染から守る免疫の機能が高いということだが、なぜ運動をしている人は免疫機能が高いのか知る人は少ないかもしれない。

今回は、運動がもたらす免疫への効果について解説していきたい。

運動と免疫の関係性

免疫とは、ウイルスや細菌などの病原体からカラダを守り、健康を維持するための防護システムだ。免疫の第一段階では、「粘膜免疫」が役割を果たし、目、鼻、口、腸などの粘膜がウイルスの侵入を防ぐ。

第二段階では、「全身免疫」が働き、白血球がウイルスを排除する。白血球の数やはたらきが免疫機能に関係するが、全身を常にパトロールしているNK細胞(ナチュラルキラー細胞)はウイルスをすぐに攻撃し、感染した細胞を破壊してウイルスの蔓延を防ぐ。

適度な運動は免疫機能を高める。

免疫学は、目に見えにくくイメージが沸きにくいため、医学の中でも難しいとされる分野の一つだが、国内外のさまざまな研究により、運動をすると血液中のNK細胞が増加し、運動後に減少することがわかっている。運動は免疫機能に対してプラスにもマイナスにも影響し、この関係性については運動の強度によって変わってくると考えられている。

ストレスには精神的なストレスだけでなく、様々な種類があるが、運動もストレスの一つだ。ほどほどのストレスは免疫機能を刺激してカラダの機能を高めるのに役立つ。日頃から適度な運動をする習慣がある人はNK細胞のはたらきがよくなるという報告があり、一般的な人と比べて風邪を引きにくいとされている。カラダを鍛えている人は風邪を引きにくいというのは間違いではないのだ。

運動の “やりすぎ” は免疫機能を低下させる。

一方、激しい運動を行った場合は、免疫機能が弱まるとされている。疲れ果てるほどのやりすぎな運動をしたあとはNK細胞が運動前より少なくなってしまうと言われている。また、唾液に含まれる免疫物質(分泌型免疫グロブリンA)は、ウイルスが侵入するのを防ぐ役割を担っているが、アスリートが過酷な試合やトレーニングをするとこの免疫物質が減少することがアメリカの大学の研究結果でも明らかになっている。

運動に対する免疫機能の変化は個人差も大きいとされているが、強度が高い過度な運動の後は、感染に弱い状態になるおそれがあり、感染予防には十分に注意をはらう必要がある。

免疫を維持するために心がけたい習慣

1:十分な睡眠をとる。

睡眠は1日中活動した心とカラダを回復するために必要不可欠だ。十分な睡眠時間を確保しないと、睡眠に関わるホルモンが分泌されず、病気を引き起こすリスクが高まると言われている。1日7~8時間程度の睡眠時間を確保して免疫機能を維持しよう。


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2:適度な運動を取り入れる。

理想は、30分~1時間の運動を週3回行うことだが、大切なのは運動を習慣づけることだ。1日10分の体操でもいいのでできることから始めることが大切。運動の効果はもちろん免疫アップだけでなく、生活習慣病のリスク低下、ストレス解消、自尊心を高めるなど心身の健康の維持・向上に大きく貢献する。

3:栄養バランスを心がけながら、腸内環境を良くしておくと◎

免疫機能は腸内細菌とのバランスを保つことで調節されるため、バランスの良い食事を心がけながら腸内の環境を整えておくといい。NK細胞を活性化させるには、乳酸菌やビタミンC、食物繊維、β-グルカンなどがある。特に乳酸菌は、直接NK細胞を活性化させる作用があるという。ヨーグルトや乳酸菌飲料などの食品を摂ると効果的だ。偏った食事や無理なダイエットは、栄養バランスを崩してしまう。カラダに必要な栄養をきちんと取り入れることを心がけよう。

4:ストレスを発散する。

適度なストレスはカラダによいされているが、強いストレスをため込こみ、心がネガティブになると免疫力が低下すると言われている。適度に息抜きをしてストレスをため込まないようにしよう。運動ならストレス解消と合わせて、健康的なカラダを作れるから最高だ。

5:カラダを温める。

低体温だと免疫機能の活動性も低下してしまう。カラダを温めるために、入浴時にはシャワーだけでなく、ぬるま湯に10分ほど浸かることをおすすめしたい。ストレッチを行うとさらに効果的だ。


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参考文献

・大塚製薬 乳酸菌B240研究所 「免疫とは」

・大正製薬 健康お役立ち情報「免疫講座」

・石井直方、肥田岳彦 2016年 「筋トレのための人体解剖図」 成美堂出版