全身の筋肉をバランスよく鍛えるなら「ケトルベルトレーニング」

トレーニング

短時間で効率良く全身を鍛えたいなら、「ケトルベル」を使ったトレーニングを取り入れてみてはどうだろうか。ケトルベルの特徴、効果、注意点、代表的なケトルベルトレーニング、おすすめのケトルベルなどをご紹介。

ケトルべルとは

丸い鉄球のようなものに、カーブしたハンドルが付いているこの「ケトルベル」は、旧ソ連の特殊部隊の訓練にも取り入れられていた歴史の古いトレーニングアイテムだ。

重心が一方向に偏っているため、「スイング」などの動きによって重心がカラダから離れると、これまでにないカタチで負荷がかかる。この特徴によって全身に高負荷をかけることもできるし、この不安定さを利用してストレッチ効果も期待できる。

ケトルベルをワークアウトに取り入れるメリット

やかんのような形をしたこのケトルベルをワークアウトに取り入れれば、トレーニングの幅をぐんと広げることができる。一般的なウエイトトレーニングとは違って比較的自由な使い方ができるため、様々な動きに対応できるのだ。

最大のメリットは、全身の筋肉のバランスが整うこと。バーベルやダンベルを使った一般的なウエイトトレーニングでは、筋肉のバランスが偏る傾向があり、こうなるとかえって、カラダの痛みや不調を起こす原因になる。

ケトルベルは、特異なカタチで負荷がかかるため、腕、脚、肩、背中、体幹などの多くの筋肉が動員される。代表的なケトルベルトレーニングである「スナッチ」ではカラダ全体の筋肉50%以上が動員されると言われている。効率良く全身を鍛えたい人にとってはまさに理想的なトレーニングだ。

ケトルベルを使用することで姿勢を改善することもできる。「スイング」などの振る動作を行うことによって、前に引く力に対抗するために、背中の筋肉が真っ直ぐになろうとするのだ。そのほか有酸素運動にも効果的であることがわかっており、心肺機能の向上、脂肪の燃焼にも効果的だ。

代表的なケトルベルトレーニング

1.ツーアームスイング

  1. ケトルベルのハンドルを両手で握り、脚は肩幅よりもやや広めに開く。
  2. 両膝を軽く曲げ、お尻を引いて、ケトルベルを両脚の間にぶらさげる。
  3. 肩の高さまでケトルベルを振り上げると同時に、完全に立ち上がる。
  4. ケトルベルを下げて元の位置に戻る。
  5. これを連続で繰り返す。

ポイント

背中、肩、お尻、脚など多くの筋肉が同時に使われるトレーニング。ケトルベルを振り上げるときには、腕だけでなく、カラダ全体を使うイメージで行おう。

ケトルベルの重さに引っ張られて、上体が前傾しないように注意。股関節が曲がったままにならないように、一度完全に立ち上がるようにして行おう。

2.ワンアームスイング

手順

  1. ケトルベルのハンドルを右手で握り、脚は肩幅よりもやや広めに開く。
  2. 両膝を軽く曲げ、お尻を引いて、ケトルベルを両脚の間にぶらさげる。
  3. 肩の高さまでケトルベルを振り上げると同時に完全に立ち上がる。
  4. ケトルベルを下げて元の位置に戻る。
  5. これを連続で繰り返す。
  6. 左手も行う。

ポイント

片手で行う分、バランスが崩れやすくなるので「ツーアームスイング」を完璧に習得してからチャレンジしてほしい。太ももではなく、お尻からケトルベルを持ち上げるようなイメージで行おう。

3.ケトルベル・スナッチ

手順

  1. ケトルベルを両足の中間に置く。
  2. ケトルベルから一歩下がり、足は肩幅よりも少し広めに開く。
  3. 右手でハンドルを握り、太ももが床と平行になるまでしゃがむ。
  4. ケトルベルを持ち上げる。
  5. 肩の高さまで上がったら手を回転させて、頭上に引き上げる。
  6. しゃがんで、両脚の間にぶらさげる。
  7. これを連続で行う。
  8. 終わったら左手も同様に行う。

ポイント

お尻、太もも、肩の筋肉が同時に使われるトレーニング。ケトルベルを真上に引き上げたときに肘が曲がっていると、ケガの原因になるのでしっかりと肘を伸ばし切ることが大切だ。肩が後ろにいきすぎないように注意しよう。

4.ゴブレットスクワット

手順

  1. ケトルベルを両手で胸の前に抱える。
  2. 脚は肩幅よりも広めに開き、つま先を外側に向ける。
  3. ここからなるべく深くスクワットして、元の姿勢に戻る。

ポイント

胸の前でウエイトを抱えることで、自然と体幹が真っ直ぐになる優れたスクワットだ。反復回数を多くして、有酸素運動として行うのに最適だ。お尻や太ももを鍛えながら、脂肪燃焼効果が期待できる。

5.ワンハンドスラスター

手順

  1. 直立した状態で、足は肩幅よりも少し広めにしてつま先を少し開く。
  2. ケトルベルのハンドルを右手で握り、片手でリュックを背負うように持つ。
  3. その体勢のままスクワットのように深くしゃがむ。
  4. 立ち上がると同時にケトルベルを真上に持ち上げる
  5. これを一連の動作で繰り返す。

ポイント

立ち上がってケトルベルを持ち上げるときに、体幹のバランスが崩れないように注意。上半身の力だけでなく、下半身の力も使って持ち上げるようなイメージで行おう。

6.デッドリフト

手順

  1. 足を肩幅より少し広めに開き、足の間にケトルベルを置く。
  2. ケトルベルから一歩下がる。
  3. 軽く膝を曲げ、お尻を後ろに引き、ハンドルを両手で握る。
  4. その体勢から上体を起こして立ち上がる。
  5. お尻を引き、軽く膝を曲げて、元の位置に戻る。
  6. これを繰り返す。

ポイント

背中やお尻の筋肉に効く「デットリフト」。背中を丸めた状態で行うと、腰への負担が大きくなるため、胸を張る意識で行おう。両肘は常に伸ばしきっている状態だ。

ケトルベルトレーニングの注意点

1:周囲の安全を確認しよう。

ケトルベルトレーニングで一番気をつけなければならないのは、手がすっぽ抜けるリスクがあるということ。振る動作が多いため、こういったリスクもゼロとは言えない。

ケトルベルトレーニングを行うときには、周囲に人がいないか確認してから行おう。また、屋内で行う場合には壁やガラス、鏡などがある場合、1メートル以上の距離を取ることだ。

2:ケトルベルを置く時の姿勢

ケトルべルを地面に置く時には、背中を丸めないように意識しよう。腰を痛める原因になる。

ケトルベルを足元に置こうとすると、目線が真下にいき、背中を丸めることにつながる。腰を守るためには、目線を2メートル先の地面に向け、背筋を伸ばしたまま、床に静かに着地させよう。

3:ケトルベルを落とさないように。

下ろしたり、持ち上げるといった動作が多いケトルべルでは、セットを終えた後、雑に落としがち。自分の足に落とすリスクを減らすためにも、むやみにケトルベルを落とさないことが大切だ。

動作が終わった後は、床や地面に静かに着地させること。屋内で行う場合は、柔らかいマットを敷いて行うといいだろう。

ケトルベルの重量の選び方

ダンベルと違って、同じ重さを2つ揃える必要はない。まずは1つで十分だ。開始重量の目安として、一般男性なら16kg、女性なら8kgが基準だとされている。

しかし、慣れないケトルベルトレーニングを最初から16kgで始めるのは、カラダを痛めたり、モチベーションの低下につながる恐れがある。自分にあった重量から始めて少しずつ負荷を高めていくことが大切だ。

ケトルベル 8kg~32kg