今注目の有酸素運動「LISS」とは?メリットやデメリット、始め方

トレーニング

HIITとは真逆であるコンセプト、LISS(低強度定常状態トレーニング)の認知度が日本でも高まってきている。LISSとは一体どんなトレーニングなのか。今回は、LISSの魅力や欠点、LISSの取り入れ方などについてご紹介。LISSを取り入れて、あなたのフィットネスライフにバリエーションを増やしてみてはどうだろうか。

LISSとは

Low Intensity Steady State(低強度定常状態トレーニング)の略で、低強度の負荷を一定に保つトレーニングのこと。LISSは目新しいトレーニング方法ではなく、低強度のトレーニングを表すために使われる新しい用語。ウォーキングや水泳、サイクリングなど伝統的な低強度のトレーニングを長時間行うものはどれも「LISS」ということになる。

HIITとは真逆のトレーニング

HIIT(高強度インターバルトレーニング)は、短時間で多くのカロリーを消費でき、運動能力の向上にも役立つため、人気のトレーニングとなっている。しかし、HIITを行うときの目標心拍数は、最大心拍数の約80~95%ほど。非常に強度が高く、決して楽しめるものではないため、運動経験が少ない人にとっては少々ハードルが高いのだ。

このHIITが広まったことによる反動を受けてなのか、これまでHIITの陰に隠れていたLISSがフィットネス界でも注目されるようになってきた。LISSの目標心拍数は最大心拍数の約50~65%程度。HIITに比べて強度が低いため、運動初心者にとっても継続しやすいトレーニングなのだ。短時間で高負荷をかけるHIITとは真逆のトレーニングといえる。

LISSの魅力

HIITとLISSのトレーニング効果を比較したある調査によると、互いの効果に違いは見られなかったようだ。LISSは他の運動と同じように心身において多くの健康効果をもたらす。他の運動と比べて優れている点は次のとおりだ。

1:脂肪を燃焼させる能力が向上する。

LISSのような定常状態のトレーニングでは、筋肉に蓄積されたグリコーゲンを使用する代わりに、脂肪を燃料として使用する能力を向上させることができる。これは必ずしも多くの脂肪を燃焼するわけではないということを強調しておきたい。

2:リラックスしながらできる。

LISSは会話をしながら運動ができるほどの強度。友人とカフェで繰り広げるような何気ない会話を楽しみながら、フィットネス効果が得られる。これはまさにWin-Win。

3:続きやすい。

LISSは、HIITなどの他の運動形式と比べても、苦痛を感じることなくなく、楽しみながら運動ができるため、継続しやすいのだ。激しいトレーニングで挫折してしまったという人は、LISSに切り替えることで運動を長く続けていけるだろう。また、HIITと比べて、膝や足首、腰などの関節にかかる負担や筋肉へのダメージが少ないため、ケガによる離脱も少ないのだ。

4:誰にでも適している。

LISSは、運動初心者にとっても適しているトレーニングだ。中級から上級のフィットネスレベルの人では持久系のトレーニングとしても取り入れられている。低強度であるため、カラダにストレスをかけることなく、心肺および筋持久力を向上できるのだ。

LISSの欠点

もちろんLISSにもいくつか欠点がある。欠点をチェックした上でLISSを試すべきか考えてみてほしい。

時間を要する。

LISSで運動効果を高めるためには、最低でも30~45分程度必要になるとされている。HIITに比べて時間を要するため、短期集中型のトレーニングを望む人にとっては向いていないかもしれない。

運動後のカロリー消費が少ない。

HIITや筋トレなどの激しい運動の後には、その後も継続してエネルギーを消費する効果があり、これはEPOC(運動後過剰酸素消費量)やアフターバーン効果とも呼ばれるもの。運動後に酸素摂取量が増えることで、その後何時間も余分なカロリーを消費し続けることができるのだ。

しかし、LISSの強度は比較的低く、運動中に酸素不足やエネルギー不足になることがないため、このアフターバーン効果を得られることができず、運動後の代謝を長時間上昇させないのだ。

LISSをワークアウトに取り入れる方法

LISSをワークアウトに取り入れるのは非常に簡単。ジムに通っているなら、エアロバイクやトレッドミル、ローイングマシンなどを使ったり、プール付きのジムなら水泳でもOK。

屋外でトレーニングしたい場合、公園や歩道、海で友人と会話を楽しみながら、ウォーキングや軽いジョギングをしたり、山へ出かけて景色を楽しみながらLISSのワークアウトを行うことができる。

重要なのは、60%程度の強度で、30分~60分を一定のペースで運動すること。LISSに向いているかなと感じた人は、さあ動き出そう!


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参考文献

The Effects of High Intensity Interval Training vs Steady State Training on Aerobic and Anaerobic Capacity / Carl Foster , Courtney V. Farland , […] , and John P. Porcari / J Sports Sci Med. 2015 Dec; 14(4) : 747-755

・Progression Models in Resistance Training for Healthy Adults / Medicine & Science in Sports & Exercise: March 2009 – Volume 41 – Issue 3 – p687-708 doi:10.1249