「マインドフルネス瞑想」の驚くべき効果とやり方。科学的根拠をもとに解説。

ウェルネス

時代の流れというものなのか、かつて怪しがられていた「マインドフルネス」や「瞑想」は、確かな効果があるとして国内でも広がりを見せている。マインドフルネスの偉大な効果を示す情報は多いが、実際のところどうなのだろうか。エビデンスをもとにマインドフルネスの効果や、実践方法などについて詳しく紹介していきたい。

マインドフルネスとは

マインドフルネス協会は、マインドフルネスをこのように定義している。“今、この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価をせずに、とらわれのない状態で、ただ観ること”。つまり、「今この瞬間」を大切にする生き方だ。

マインドフルネスは、1970年代に医療分野に応用されたことで、科学的に心身への有効性が認められ、世界中に広まった。さらに脳科学の分野でも、集中力、創造性、記憶力の向上などの効果が認められ、医療のみならず、スポーツやビジネスの世界でもマインドフルネスが取り入れられるようになったのだ。

マインドフルネスと瞑想の違いは?

「マインドフルネス」は、もともと仏教用語でパーリ語「サティ」の英訳で、「常に落ち着いた心の状態」という意味をもつ。マインドフルネスと瞑想はよく混合されるが、「マインドフルネス=瞑想」ではなく、瞑想はマインドフルネスになるための手段の一つにすぎない。

外でジョギングをしていても、ジムでトレーニングしていても、食事をしていても、「今」に注意を向けていれば、それはマインドフルネスと言うことができる。

マインドフルネスの効果

1:ストレス耐性がつく。

ハーバード大学の心理学者であるサラ・ラザール准教授が2010年におこなった研究によると、1日30分程度のマインドフルネス瞑想を8週間行うことで、怒りや不安といった感情を司る「扁桃体」の反応が緩やかになることがわかっている。

これによって、感情のコントロールが効きやすくなり、ストレスの多い出来事が起こっても平静を保つことができるのだ。

2:集中力が向上する。

日常的な習慣として、マインドフルネスを実践する人たちは、上の空になったり、注意散漫になりにくいということがわかっている。これは意識を何かに集中させようとする行為によって、集中力を司る脳の神経回路が強化されるようだ。

3:記憶力の向上

マインドフルネスを実践する人は、ごく一時期に覚えておく短期記憶(作業記憶ともいう)にも優れている。マインドフルネスが学生の記憶力にもたらす影響を調べたある研究によると、集中力、短期記憶の向上といった効果が見られたようだ。

これは、注意力が散漫になりにくくなることで起こるものだと考えられている。さらに、指導不可能といわれているGRE(大学院へ進学するのに必要な共通の試験)でのテストの点数も上がったという。

4:ダイエット効果

2017年欧州肥満会議において行われた、マインドフルネスのダイエット効果を検証する研究では、食事の際にマインドフルネスを実践することで体重が-1.9Kg減少したと報告されている。

スマホやテレビを眺めたり、おしゃべりをしながら食べる「ながら食」では、何をどのくらい食べているのか関心が向かなくなる。食べることだけに集中することで満腹感を感じやすくなるのだ。

あのアスリートたちもマインドフルネスを実践

マインドフルネスは、パフォーマンス向上やチームワークの強化策としていまや多くのスポーツチームでトレーニングに組み込まれている。バスケの神様と言われたあのマイケルジョーダンも現役時代に実際に取り入れていたようだ。

また、現テニス世界ランク1位であるジョコビッチも自身の書籍「ジョコビッチの生まれ変わる食事:あなたの人生を激変させる14日間プログラム」でマインドフルネス瞑想を取り入れていることを明言している。

一歩下がって自分の考えを客観的に見渡すように集中すると、莫大な量のネガティブな感情がそこにあるのがはっきりと見えた。

自己疑念。怒り。人生や家族についての不安。まだ実力が足りないのではないかという恐れ。あの練習は間違っているのではないか、私は時間や潜在能力を無駄にしているのではないかという不安。(中略)

私はこの瞬間に留意したからこそ、こういうエネルギーが私の人生から多くを奪っていたことを知ることができたのだ。

ー ジョコビッチの生まれ変わる食事より

マインドフルネスのやり方

マインドフルネスの状態を身に付けるために、多くの人が実践しているのが、「マインドフルネス瞑想」だ。マインドフルネスが私たちにもたらす効果は既に示したとおり、多くの研究によって明らかにされている。

マインドフルネスは、生活の質を向上させ、幸せに生きるための有効なツールになるに違いない。それもコーヒーを一杯飲む程度の時間をかけるだけで。ただ実際のところ、マインドフルネスの効果を確かめるには、実際に試してみるほかない。基本的なマインドフルネス瞑想のやり方は次のとおりだ。

1人になる空間を見つける。

楽な姿勢になり、タイマーを1設定する(10分程度)。

自分のありのままの思考や感情、呼吸をただただ観察する。

タイマーが鳴ったら、元に戻る。

マインドフルネスを実践する方法はいくつもあり、それを口説く専門家によってもやり方は微妙に異なる。お香をたく必要もないし、坐骨で座る必要もない。ただ、「今」に集中するだけでいい。実践していく中で、自分にとって効果的なやり方を見つけていってほしい。

参考文献

Eight weeks to a better brain / The Harvard Gazette / Sue McGreevey MGH Communications January 21, 2011

Mindfulness: 6 Steps to Better Memory, Verval Reasoning and improved Concentration. / Jeremy Dean

Study suggests using a mindfulness approach helps weight loss. / EUROPEAN ASSOCIATON FOR THE STUDY OF OBESITY/ 18-MAY-2017