ワークアウト中に音楽を聴くメリットとは。音楽と運動の関係性

ウェルネス

筋トレやランニング、スポーツを楽しむ人や、アスリートにとって「音楽」は欠かせないものとなっているが、なぜカラダを動かすときに音楽が必要とされているのか。運動前や運動中に聴く音楽は、私たちにどのような効果をもたらしてくれるのか。今回は運動中に音楽を聴くメリットやおすすめのワークアウト用プレイリストを紹介していきたい。

運動中に音楽を聴くメリット

モチベーションが向上する。

好きな音楽を聴くと、身体活動が活発になり、ドーパミンが放出されることがわかっている。このドーパミンが放出されることで、活気が向上し、ランナーズ・ハイ(走り続けたときに感じる多幸感)に近い興奮状態になるのだ。

本来きつくて辛いランニングや筋トレの質は、モチベーションによって大きく左右される。気分が乗っていない状態では、集中力が続かず、質の高いトレーニングはできない。運動中に音楽を聴くことで、気分が乗り、質の高いトレーニングができるのだ。ちなみに「好きではない音楽」を聴いた場合、ドーパミンの活性化は確認されなかったようだ。

集中力が高まる。

音楽を聴き、周りの雑音をシャットアウトすることで集中力が高まる。アスリートが試合前に音楽を聴いているシーンをよく目にする人もいるだろう。周囲の雑音を遮り、好きな音楽を聴くことで、自分に全集中を向けることでき、いつも通りのパフォーマンスを発揮できるのだ。

これはアスリートだけでなく、誰にでも共通して言えることだ。トレーニング前やトレーニング中に音楽を聴くことで、集中力が高まり、まるで自分が物語の主人公にでもなっているかのような感覚になれる。集中力が高い状態でトレーニングすることで、いつも通り、またはそれ以上のパフォーマンスを発揮できるだろう。

パフォーマンスを発揮できる。

モチベーションが向上し、集中力も高い状態でトレーニングに臨めば、当然パフォーマンスも向上する。早稲田大学の長距離選手を対象にした研究によると、トレーニング前に音楽を聴く習慣がなかった選手が、音楽を聴くことで疲労や混乱が低下し、パフォーマンス向上に繋がったと報告されている。一方、音楽を聴く習慣がある選手が、音楽を聴かなかった場合、不安や怒り、混乱が増加し、パフォーマンスに悪い影響が出たという。効果に個人差はあるものの、音楽が運動にもたらす影響はやはり大きいようだ。

運動中の疲労を感じにくくなる。

ある研究によると、音楽は運動中の疲労を感じにくくさせる効果もあるという。これは、音楽による「注意散漫効果」によって得られるものだとされており、低強度運動(40%程度の強度)においてのみ発揮されるという。中強度運動(60%程度)においては効果がなかったようだ。疲れを感じにくくなれば、ランニングやエアロバイクなどの有酸素運動を長時間継続して行うことができるようになる。

運動中の音楽の選び方

運動中に聴く音楽は、自分の好きな音楽を選ぶことに加えて、その運動に合ったテンポの曲を選ぶことが大切。ランニングでスピードを上げたいときに、スローテンポの曲が流れていては、ペースも上げづらくなる。スピードを上げたい時に、アップテンポの曲が流れていれば、自分のペースも上げやすくなり、いつも以上のパフォーマンスを発揮することができるのだ。音楽によってペースが乱されないように、自分の求めるテンポの曲を聴くといいだろう。

高強度運動に対する音楽の効果は?

音楽による運動への効果は、低~中強度の運動で発揮されたという研究が多く、疲労困憊にいたるまでの高強度運動に対しては効果が認められていないものが多い。

疲労困憊になるまで行うランニングテストを実施した研究では、音楽を聴く場合と聴かなかった場合の走行距離と身体疲労率に差がなかったことが報告されている。これは、高強度運動による刺激の強さによるものだと考えられており、バテバテになり、疲れ果てている状態では、音楽を聴くほどの余裕ががなく、効果が出づらくなるのだ。

これはあくまで疲労困憊に陥っている場合の影響だ。バテていない状態で100%の高強度運動を行った場合では、疲労困憊に陥ることなく終了する運動であれば、確かな効果が期待できる。

ワークアウトにぴったりのプレイリスト

参考文献

Musical chills:why they give us thrills. / News / The Neuro / McGill University Health Centre(MUHC) / 10 JAN 2011

音楽聴取による情動の変化がパフォーマンスに及ぼす影響 / 山崎 勝男 , 中山 庸子

Effects of music during Exercise on RPE,heart rate and the autonomic nervous system / S Yamashita , K Iwai , T Akimoto , J Sugawara , I Kono / 2006 Sep ; 46(3):425-30