「筋膜リリース」でカラダを解きほぐそう!やり方とタイミング

ウェルネス

「毎朝5km走る!」、「毎日ジムに通う!」。多くの人が ”なりたい自分” になるために大きな目標を掲げることから始めてしまうが、カラダのバランスや機能が低下している状態で運動を始めても、効率良くトレーニングの効果を出すのは難しい。思うように結果も出ず、トレーニングの取り組み方に悩まされてしまう人も多いのではないだろうか。

理想のカラダを手に入れるためには、まず「カラダを整えること」が先決かもしれない。カラダの機能を高めてから、運動に取り組むことで、良い状態でトレーニングができるだけでなく、「カラダを気遣う」という習慣を身に付けていくことで、継続しやすくなるはずだ

今回は、カラダを整えるうえで重要な「筋膜リリース」について詳しく解説していきたい。

筋膜リリースとは

筋膜とは

筋膜とは、簡単に言うと「筋肉を包む膜」のことだ。正確には、筋肉だけでなく、骨や内臓、血管、神経、小さな筋繊維さえも覆っている。このように筋膜は、すべての器官を包み、カラダ全体に張り巡らされているため、「第2の骨格」とも呼ばれている。

筋膜は一つだけではなく、浅筋膜(せんきんまく)、深筋膜(しんきんまく)、筋外膜(きんがいまく)、筋内膜(きんないまく)、筋周膜(きんしゅうまく)の5つの筋膜が連続した層になっており、そのほとんどはしなやかな「コラーゲン」と弾力のある「エラスチン」という2種類のたんぱく質によって構成されている。これらが伸縮することによって私たちはカラダをうまく動かすことができるのだ。

筋膜の役割

筋膜の役割は一般的にそれほど認知されていないが、様々な重要な役割を果たしている。

  • 筋肉の位置と形を保つ。
  • 組織同士がこすれあうことで生じる摩擦を最小限にする。
  • 筋収縮の際の滑走を助ける。
  • 血管や神経およびリンパ管を支える。

筋膜の機能が低下すると

筋膜は柔らかい組織であるため、からまったり、くっつきやすい(萎縮・癒着)という特徴があり、ケガや運動不足、デスクワークなど様々な原因によって、筋膜本来の性質が失われてしまうのだ。

筋膜の機能が異常になると、筋肉の力を発揮できなくなり、運動パフォーマンスを低下させたり、カラダのゆがみ、痛みを引き起こすなど日常生活においても障害をきたすことになる。さらにこれは、ダメージを受けている部位だけ起こるのではなく、筋膜のつながりによって全身に広がってしまうのだ。

筋膜リリースとは

この筋膜が正常に機能するためには、「滑りの良さ」が必要になる。筋膜を引き伸ばしたり、こすったりすることで、筋膜の滑りを良くし、本来の機能を取り戻す作業が「筋膜リリース」だ。「筋膜はがし」と呼ばれることもある。

以前は高度の技術を必要とし、時間を要する「筋膜リリース」であったが、近年では、自分で治療を行う「セルフケア」が主流になっており、気になるポイントを自分でこすったり、フォームローラーなどのアイテムを使うことで、筋膜リリースを自分自身で行うことができる。

スマホやパソコン作業による不良姿勢や運動不足になりがちな現代人は、筋膜の機能が低下しやすい。筋肉が正しくスムーズに動けるように筋膜リリースで解きほぐそう!

筋膜リリースの効果

肩こりなどのカラダの不調を改善

筋膜の滑りが悪くなると、各組織を動かしづらくなり、血流も悪化することで凝りや痛みが生じやすくなってしまう。筋膜リリースによって凝りや痛みを予防・改善することができる。

筋肉の機能を高める。

筋膜リリースによって筋膜の滑りを良くしておくことで、生活習慣によって失われた筋膜本来の機能を取り戻すことができる。

運動を継続しやすくなる。

筋膜リリースなら、心身にも辛くもなく、時間もそれほど要さないため、毎日誰でも継続できるはずだ。筋膜リリースで「カラダを気遣う」という習慣を少しずつ身に付けていくことで、運動も継続しやすくなる。さらに、継続していくことで自分を褒めてあげれるようになり、自尊心も高められる。身体的にも心理的にも良い状態で運動に取り組むことができるのだ。

筋膜リリースにおすすめのタイミング

ウォーミングアップに

普段のウォーミングアップに筋膜リリースを取り入れることで、柔軟性を高め、より質の高い筋肉の動きへと変化させることができる。運動前の筋膜リリースは、カラダをリラックスモードにし、かえって筋肉のパフォーマンスを低下させるのではないかと考える人もいるかもしれないが、筋膜リリースの効果について調べた研究をまとめたレビューでは、運動前の筋膜リリースは筋肉のパフォーマンスに悪影響を与えることなく、柔軟性を高める効果があると報告されている。運動前に筋膜リリースをしてパフォーマンスを高めよう!

クールダウンに

運動後の筋膜リリースは特に効果的で、運動によって疲れている筋肉に刺激を与え、血流が良くなることで、疲労回復を促進できる。筋膜の機能が低下してから筋膜リリースするのは少し遅い。疲れ切ったカラダをその日にリカバリーしておくことで、筋膜の機能異常を予防できる。

入浴後に

入浴後は、カラダが温まり、筋膜が動きやすくなっている。運動をしていなくても、日々の生活習慣によってカラダには負担がかかる、ダメージを受けたカラダを次の日に残さないためにも、入浴後にストレッチと合わせて筋膜リリースを行おう!

筋膜リリースのやり方

筋膜リリースの基本的なやり方をご紹介。いつでもどこでもできる筋膜リリースで筋肉のパフォーマンスを高めるとともに、カラダの不調を改善しよう。部位別のやり方はこちらを参考にしてみるといいかもしれない。

1. 手を使って筋膜リリースする。

  1. 気になるポイントに手を当てる。
  2. 手を上下・左右に皮膚をずらす。
Point
  • 皮膚をずらすときには、手に力を入れないこと。
  • 手だけで皮膚をずらすのではなく、腕全体を使うイメージで行おう!

2. カラダを曲げて筋膜リリースする。

  1. 気になるポイントに手を当てる。
  2. 手を上下・左右に皮膚をずらしながら、ゆっくりとカラダを曲げ伸ばす。
Point
  • カラダを伸ばしながら行うことで筋膜をリリースできる。
  • 勢いよくカラダを伸ばさずに、ストレッチを行うときのようにゆっくりとカラダを曲げよう!

筋膜リリースにおすすめのアイテム

積極的に筋膜リリースをしたいという人は、身体をのせるだけで様々な部位を解きほぐせるフォームローラーを持っておくと便利だ。中でも、筆者も愛用しているこの「トリガーポイント」がおすすめ。

  • 安定感◎
  • 凹凸がほどよく気持ちよくしてくれる
  • ポップな色合いで部屋のインテリアとしても活躍
  • よりコンパクトなマッサージボール
  • 気になる部位をピンポイントでより強い刺激を与えられる

参考文献

・姿勢の評価と治療アプローチ 竹井 仁 VOL.27 NO.2 8月(2013年)

・筋再教育運動が筋膜リリース後の筋筋膜の伸張性および筋力に与える影響 勝又 泰貴 理学療法学 第31巻(2016)

・THE EFFECTS OF SELF – MYOFASIAL RELEASE USING A FORM ROLL OR ROLLER MASSAGER ON JOINT RANGE OF MOTION , MUSCLE RECOVERY , AND PERFORMANCE : A SYSTEMATIC REVIEW / Scott W Cheatham et al. Int J Sports Phys Ther.Nov(2015)