「オーバートレーニング症候群」とは?原因・症状・回復のためのヒント

ウェルネス

練習や筋トレなど、トレーニングのし過ぎで起こると言われている「オーバートレーニング症候群」。この厄介な症状に陥る前に、オーバートレーニング症候群について知っておこう。今回はオーバートレーニング症候群の症状や原因、回復するためのヒントを紹介していきたい。

オーバートレーニング症候群とは

オーバートレーニング症候群とは、身体・精神ともに慢性的な疲労に陥る状態だ。ウエイトトレーニングにおけるオーバーワークとは違って、長期的で心理的な要因が大きいのが、オーバートレーニング症候群の特徴だ。一種のうつ病のような状態ともいえる。

トレーニングは、日常生活で行う活動よりも負荷の高い運動を行うことでパフォーマンスの向上が期待できるが、トレーニング後の疲労回復が行われなかったり、十分な栄養を摂取していない場合は、かえってパフォーマンスの低下が見られるようになってしまうのだ。

持久力アスリートを対象としたある調査によると、約10%が過去にオーバートレーニング症候群を経験した、というデータもある。競技によってバラつきはあるが、若いアスリートに多く見られる症状だ。

サッカー日本代表GK権田修一選手も2015年にオーバートレーニング症候群の診断を受けている。同選手は復帰したが、競技スポーツからの引退を余儀なくされる場合もある。

これを聞くと、トップアスリートだけに現れる症状かと思われがちだが、非アスリートや大学生、高校生にも起こりうる症状だ。真面目で責任感の強いスポーツ競技者は、要注意。

オーバートレーニング症候群の症状

オーバートレーニング症候群の症状は人によって様々だが、段階的に悪化していくケースが多い。

初期症状では日常生活に問題はないが、競技スポーツのパフォーマンス低下が見られる。トレーニング量が増えるにつれて、軽い負荷のトレーニングでもすぐに疲れてしまうのだ。

これが悪化すると、倦怠感、睡眠障害、食欲低下、体重減少、ケガといった「身体的ストレス」や不安、モチベーションの低下、集中力の低下といった「精神的ストレス」などの日常生活にも悪影響を及ぼす症状が出てくる。最悪の場合、競技復帰が不可能になることも。

オーバートレーニング症候群は再発しやすいということがデータとして出ており、米国の大学の水泳選手を対象としたある研究では、オーバートレーニング症候群を発症した選手の91%が、3年間のトレーニング期間中に再びオーバートレーニング症候群と診断されたていることがわかった。

オーバートレーニング症候群の原因

オーバートレーニング症候群は“トレーニングのしすぎ”だけで起こる症状ではない。最近の調査によると、過度なトレーニング以外にも、アンバランスな食事(炭水化物、タンパク質、総カロリー摂取量)や睡眠の質の低下、心理的機能障害といった様々な原因の組み合わせから生じる、ということがわかっている。

これらの生活リズムの変化によって、複数の経路を介した機能不全反応につながり、ホルモン、筋肉、免疫、代謝が異常になる。これがオーバートレーニング症候群のトリガーではないかと考えられている。

オーバートレーニング症候群からの復帰

オーバートレーニング症候群の診断を受けた、または似ような症状が出た場合、まず必要なのは「休養」だろう。そのためには今の自分を受け入れなければならない。

原因が過度なトレーニングである場合、休養をとることで、異常なカラダを正常に戻すことにつながるし、原因が複雑な場合でも休養期間中に、自分の生活パターンを見直して、原因を注意深く見る時間をとることができるからだ。

症状にもよるが、完全に回復するまでには数か月から数年かかる場合がある。原因が何であれ、休養をとることがまず重要だ。これには本人の意思だけでなく、本人が安心して休養できるように、家族や友人、チームメイトやコーチなど、周囲の人たちのサポートが不可欠になる。