パワーとは。「プライオメトリクストレーニング」のやり方&注意点

トレーニング

スポーツの現場でよく使われる「パワー」という言葉。筋力とは別物であることをご存知だろうか?今回は、「パワー」についてその正体やパワーを高められる「プライオメトリクス(プライオメトリック)トレーニング」のやり方や注意点、代表的なトレーニングをいくつか紹介していきたい。

パワーの正体

パワーは、筋力とスピードの組み合わせたもの。筋力トレーニングによって筋力を鍛えればパワーも高まるというわけではないため、ジムに行ってバーベルやダンベルを持ち上げるだけでは不十分なのだ。

スポーツパフォーマンスを向上させるためには、筋力トレーニングによって手に入れた筋力にスピードを加えて、パワーに変換させること。

このスピード面を重点的に鍛えるトレーニングとして知られているのが、今回紹介する「プライオメトリクストレーニング」だ。パワーをつけることで、爆発的な力を発揮できるようになり、ライバルに差をつけることができる。

プライオメトリクストレーニング

プライオメトリクスは、パワーを鍛えるのに最適なトレーニングとして、パワーおよびスピードが求められるスポーツのパフォーマンス向上によく取り入れられている。速筋繊維とその活動を司る神経を鍛えることで筋力をパワーに変換することができる。

子供の頃、スキップしたり公園の遊具でジャンプする楽しさを覚えているだろうか?プライオメトリクストレーニングではこれらの動きを応用し、ジャンピングやホッピング、バウンディングなどの動作が基本となっている。

ジャンプ動作が多く含まれることから「ジャンプトレーニング」とも言われているくらいだ。複雑な名前のトレーニングだが、スポーツ経験者ならトレーニングをすれば、すぐに思い出せるはず。

代表的なプライオメトリクストレーニング

1. アンクルホップ

  1. リラックスした状態で直立し、足は肩幅よりも少し狭い幅にする。
  2. 両足のかかとを地面から少し浮かせる(つま先立ちにはならない)。
  3. この状態から膝を曲げずに飛び跳ねる。
  4. これを連続で繰り返す。
ポイント
  • トランポリンの上で飛び跳ねるようなイメージで、うまく上半身を使いながら、着地時間を短くして飛び跳ねよう!
  • お尻と体幹を締めた状態で行おう。

2. タックジャンプ

  1. 足を揃えて直立する。
  2. この状態から太ももを高く引き上げて、ジャンプ。
  3. これを連続で行う。
ポイント
  • アンクルホップと同じように、トランポリンの上で高く飛び跳ねるようなイメージで、うまく上半身を使いながら、着地時間を短くして飛び跳ねよう!
  • しっかりとお尻と体幹を引き締めた状態で行おう。
  • なるべく太ももを高く引き上げてジャンプしよう。

3. ボックスジャンプ

  1. ボックスやイス、階段などの何か台になるものを用意しよう。
  2. ボックスから適度に離れたところから、勢いよくジャンプして台に飛び乗る。
  3. 後ろに足を引いて片脚ずつゆっくり丁寧に降りる。
ポイント
  • ボックスに飛び乗った時には棒立ちではなく、軽く膝を曲げ、腰を落とし、衝撃を吸収する。
  • 着地の際、膝がつま先の真上にくるようにしよう。

4. プッシュアップジャンプ

  1. 通常の腕立て伏せの姿勢をとる。
  2. 肘を曲げてカラダを下げる。
  3. 勢いよく地面を手で押して、両手を床から浮かせる。
  4. 両手で着地する。
  5. これをテンポよく繰り返す。
ポイント
  • 手でジャンプするようなイメージで、勢いよく地面を手でプッシュしよう。
  • 慣れてきたら次の「クラッププッシュアップ」にチャレンジし、難易度を上げよう!

5. クラッププッシュアップ

  1. 通常の腕立て伏せの姿勢をとる。
  2. 肘を曲げてカラダを下げる。
  3. 勢いよく地面を手で押して、両手を床から浮かせる。
  4. 空中で1度手を叩き、着地する。
  5. これをテンポよく繰り返す。
ポイント
  • 手でジャンプするようなイメージで勢いよく空中に浮くのがコツ。
  • 余裕のある人は、空中で2回、3回と徐々に難易度を上げていこう!

プライオメトリクストレーニングの注意点

1:筋力をつけてから行おう。

プライオメトリクストレーニングは、骨や関節にかなりのストレスをかける非常に強度の高いトレーニングであるため、運動初心者向けのトレーニングとは言えない。

プライオメトリクストレーニングを行うためには、十分な筋力を備えていることが必要不可欠だ。下半身や体幹の筋力が不十分だと、トレーニングの効果が低下するだけでなく、骨や関節を痛める原因になる。

プライオメトリクストレーニングを始めるためには、ベーシックな筋トレで基礎筋力を鍛え、ジャンプ動作の正しい着地方法を身に付ける必要がある。

2:下半身の関節に負担がかかる。

ジャンプ動作が多く含まれるため、膝や足首、股関節など主に下半身の関節に大きな負担がかかる。

そのため、これらの関節に慢性的な痛みを抱えている人やケガ歴のある人は、プライオメトリクストレーニングを始める前に医師に相談しよう。

また、ケガのリスクを減少させるためにもウォーミングアップとクールダウンは必須だ。トレーニング前には簡単なストレッチと軽い運動でカラダを運動モードに切り替え、トレーニング後は入念なストレッチやアイシングでカラダの回復を促すことが大切だ。

3:毎日行わないこと

非常に強度の高いプライオメトリクストレーニングでは、関節や骨に強いストレスをかけるだけでなく、筋肉痛も生じやすくなる。

そのため、プライオメトリクストレーニングを取り入れる際には、回復時間を十分に取る必要がある。トレーニングを行った後は、最低でも24~48時間ほどの間隔を空けて行うようにしよう。

4:柔らかい着地面で行おう。

プライオメトリクストレーニングは屋内でも屋外でも場所を選ばずにできる。ただし、着地の衝撃を吸収してくれる場所を選ぶ必要がある。

ジャンプ動作の多いプライオメトリクストレーニングをアスファルトやコンクリートの上で行うと、膝、足首、股関節といった下半身の関節を痛めるリスクが高いのだ。

屋内で行う場合には、ヨガマットの上で行ったり、クッションフロアなどが適している。屋外で行う場合には、芝生や砂の上で行うようにしよう。